こんにゃく糊の作り方、使い方

こんにゃく糊って?

その名の通り、こんにゃく由来。
こんにゃく芋の粉末で作る糊で天然素材でありながら防水効果を持ち、ニスでは失われる和紙の風合いは守れるという優れもの。

和紙にこんにゃく糊を塗って揉んで乾かすともみ紙に。
もっと強くしたい場合は塗った和紙を乾燥させて石灰の入ったお湯で煮るとこんにゃく糊がアルカリ性と反応してもっと強い紙(強制紙)になります。
また、もみ紙を服に仕立てたものを紙衣(紙子)といい、僧侶の法衣、陣羽織なども作られていました。

こんにゃく糊、和紙を加工してものづくりをするのには欠かせません。

こんにゃく糊の作り方

①ペットボトルなどの容器に水500ミリリットル~1リットルとこんにゃく粉5グラム(小さじ1)を入れる。
②よく振る。振ったらしばらく置き、沈殿してきたらまた振る、を繰り返す。
③沈殿しなくなって水となじんだら完成。

まだつぶ感が残っています

作り方はとても簡単ですが、振るのを忘れると粉が固まり混ぜるのに時間がかかったり、完全に混ざるまで振らないと塊になってしまうこともありますので注意が必要です。
すぐできあがらないので使用する半日くらい前から振り始めることをお勧めします。(私のように思い立って作りたいのに、こんにゃく糊作りで時間とられてやる気が…なんてことにならないように!)
保存料が入っていないので、時間が経つと変な匂いがしてきます。保存は冷蔵庫で3~4日くらい。
作るものは小さいのに、こんにゃく糊が大量、ということにならないように作りたいものに合わせてこんにゃく糊も作ってくださいね。

こんにゃく糊の使い方

一枚の和紙に塗る場合

①平らな板の上に置いて刷毛で塗る
和紙を平らな板の上に置いてこんにゃく糊を刷毛でむらなく塗ります。

②乾燥させる
片面が塗れたら、つり下げて乾燥させます。

③裏面も同じように
乾いたら塗っていない面も同じように塗り、乾燥させます。

 

小物などに塗る場合

たっぷりと手にとって手で塗るもよし、たっぷり筆でとって筆で塗るもよし、どちらでも大丈夫です。
とにかくたっぷりと塗ることで継ぎ目を目立たなくしたり、毛羽立ちを防いでくれます。

一度塗ったら乾燥させて、また塗る。これを繰り返すほどに防水効果は高まります。
厚みのある和紙のほうが変化が顕著に表れます。しかし、厚すぎると紙にこんにゃく糊がしみこまず、揉むと割れてきてしまうことがあるので、用途によっていろいろ試してみてくださいね。
 

こんにゃく糊を塗った和紙の特徴

強度がかなり強くなる。
揉むことで柔らかくなる。
ミシンなどで縫える。
紙としての特徴も失っていないので、普通のノリやボンドでも接着する。
水分は含むが押し洗い程度の洗濯にも耐える。
(こんにゃく糊の防水は、水を「はじく」のではなく、一度含んでから発散するというもの)

こんにゃく糊はベタつきが無く作業がし易く、本来は食べ物なので口に触れるものでも安全です。

こんにゃく糊の入手方法

私はいつも御用達、アワガミファクトリーさんの通販を利用しています。
こんにゃく糊の作り方、塗り方の説明もあるのでぜひ参考にしてみてくださいね。

ほかにも、東京に店舗もある株式会社マスミさんでも購入できるようです。

そのほか、「暮らしの中の和紙のかたち」の著者である福嶋秀子さんのオンラインショップでも販売しています。

こんにゃくを作るためのこんにゃく粉は検索でもたくさんヒットするのですが、インターネットで購入できる和紙に使うためのこんにゃく粉としては上記くらいでしょうか。たぶん、こんにゃくを作るためのこんにゃく粉でも大丈夫だとは思いますが、私は試したことないので何とも言えず…
こんにゃくを作るためのこんにゃく粉は1キロ以上でしか売っていないので、1回5グラムほどしか使わないとなると使い切るのに何年かかるのだろうかと考えてしまいます。こんにゃくも作る方はちょうど良いかもしれません。

話が大幅にそれましたが、天然の防水効果、とても良いです。ぜひお試しください!