『ねり』とは?紙漉きにかかせないねりの役割

和紙造形とは?に出てきた『ねり』。

紙漉きにかかせない「ねり」。

よく「のり」と間違えられるのですが、接着剤としての役割はまったくありません。

繊維は水より重いので、水の中で拡販させてもすぐに沈殿してしまいます。

そこで「ねり」の登場です。
 
「ねり」は楮の繊維を分散させ、簀の上で拡散させる働きをします。
「ねり」を使うことで均一な紙が漉けるようになるのです。
 
実はとても重要な役割を果たしている「ねり」。
 

「ねり」なしで素材を流したとき

 

「ねり」ありで素材を流したとき

 
一目瞭然ですね。
「ねり」があるからこそ薄くても丈夫な和紙を漉くことができるのです。
 
では「ねり」の正体は?

「ねり」はトロロアオイという植物の根っこから抽出した粘液。

とろとろというより、ねばねば。
子どもたち曰く、『スライムみたい』だそうです。
 
紙漉きにおいて素晴らしい働きを見せてくれる「ねり」ですが、
この「ねり」には弱点があります。
 
実は熱に弱い
放置しておくとねばねばがなくなってくる。
冬よりも夏の方がはやくねばねばが減少する。
手で握っただけでもなくなってしまうんです。
 
紙漉きが寒い季節に行われるのは、この「ねり」のためでもあるんですね。
 
和紙造形ではトロロアオイを使用せず、
アクリパーズという化学薬品を使用しています。
 
トロロアオイを保存したり、粘液を抽出したりするのは
お手軽じゃないですからね。
 
簡単にそろえられる道具で気軽に自宅でもできるのが和紙造形の特長。
アクリパーズは水に溶かすだけで
「ねり」と同じ効果が得られるという優れもの。
 
ぜひ「ねり」に触れてみませんか?
和紙造形ワークショップ随時開催しています。